皆様、当院ホームページを御覧いただきありがとうございます。海老名おはよう内科クリニックの田中守と申します。

私は医師になり30年あまり経ちました。医師という職業を選んだ理由ですが、最初は建築家に憧れ工学部に行くつもりでした。高校2年生の頃、三浦綾子氏、北杜夫氏、渡辺淳一氏などの人間とはなにかを問う本に出会い、人との関わりが深い職業に就きたいという気持ちが強くなり、医学部を目指すことになりました。親族には医師はおらず、具体的な医師像は小説の中にしかありませんでしたが、人間そのものに興味があり人間を知ることが好きになりました。

医学部に入学後は、いろいろな科の勉強をしていくにつれ、全人的診療ができる医師になりたいとの思いから内科を、そしてまずは命に関わる循環動態をきちんと管理したいと循環器内科を専門とし研鑽を積んできました。私の時代は臓器別内科ではなく、様々な専門のいる内科医局に入局したので、循環器以外の先生にも教えていただく機会も多く、そのころの上司の先生から「循環器内科医の前に内科医であれ。」という言葉をいただき、実践してきました。循環器の専門的な治療も、東京医科歯科大学・都立広尾病院・亀田総合病院と循環器では高名で優れた指導者のいる病院で研鑽を積むことができ、ちょうど冠動脈インターベンション治療（カテーテル治療）が日本で広まり始めたころに循環器内科医となり、カテーテル治療も1000件あまり経験しました。前職の総合新川橋病院では心臓カテーテルチームの立ち上げも行いました。

カテーテル治療は治療結果がビジュアルで見えるためわかりやすく、医師としても達成感を感じる治療ですが、なかなか長期的な予後を良くするデータは少なく、このままで良いのだろうかという疑問も感じていました。その頃、心臓リハビリについて勉強を始めたところ、生命予後改善のデータを見つけ、これだ！という確信を得て、心臓リハビリチームを作り、育て、実践してきました。心臓リハビリは、カテーテル治療と違い、数ヶ月経過をみていくと多くの皆様が元気になっていくのです。今これが私のライフワークになりつつあります。

また、「循環器内科医の前に内科医であれ。」の言葉を胸に循環器以外の診療にも研鑽を積み、前職場では総合内科部長も兼任し、狭い専門分野に閉じこもらず患者さんのつらさを受け止め、病気の糸口を見つけて診断し、いろいろな病気の患者さんを診る経験ができました。診療を経験した循環器以外の疾患は、生活習慣病（高血圧・脂質異常症・糖尿病）、内分泌疾患（原発性アルドステロン症・副腎不全・SIADH・甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症・副甲状腺機能亢進症）、胸部肺疾患（睡眠時無呼吸症候群・細菌性肺炎・間質性肺炎・COVID19肺炎・COPD・気管支喘息・胸膜炎）、感染症（腎盂腎炎・敗血症・胆道感染・伝染性単核球症・扁桃炎）、消化器疾患（胃十二指腸潰瘍・逆流性食道炎・急性肝炎・肝硬変）、脳神経疾患（認知症・抑うつ・不眠症・脳梗塞・良性頭位めまい症）、自己免疫性疾患（IgG4関連後腹膜線維症・リウマチ性多発筋痛症・RS3PE症候群）、セロトニン症候群・悪性症候群・腎不全・鉄欠乏性貧血・悪性貧血・花粉症（アレルゲン免疫療法）など多岐にわたっていました。

必要な知識は学会や研究会等（専門外の学会や勉強会にも参加）で学び、総合内科医としてかなり広範囲の医療をカバーするスキルを身につけることができました。疾患の重症度を見分け、重い場合は早期に専門医につなげることも重要と考え、病院や診療所間の連携も重視しています。

こういう経緯で医師になった私ですので、自分のクリニックでも、循環器疾患に対しては専門的な治療を行い、心臓リハビリを実践し、その他の疾患も幅広く診療できるクリニックにしたいと思っています。病気を治すだけでなく、メンタルの安定や運動・生活能力の維持について助言し、地域の皆様の健康寿命を伸ばす手助けができれば本望と思っています。